実家で一人暮らしの高齢な母(90歳)のためにFaceTime機能を使って、iPadをTV電話の代わりにしてみました。

ねえ、聞いてよ。実家のお母さんのことなんだけど、iPadをTV電話の代わりにしてみたんだ。

え、本当?どうして?

お母さん、急に左耳が聞こえにくくなって、電話での会話が難しくなって困ってたんだよね。

それは大変だね。お母さん、一人暮らしだから、心配だよね。

うん。それで、ネットで調べたら、iPadをTV電話代わりにする方法があるって知って。

そうなんだ。で、どうなの?

最初はiPadのスピーカーだけでは聞き取りにくい様子だったんだよ。
それで、外付けのスピーカーもつなげて、やっと聞き取れるようになったよ。

それは良かったね。お母さんは気に入ってるの?

最初は怪訝そうにしてたけど、両耳で聞けるから、会話がしやすくなったし、離れていても顔を見ながらおしゃべりできるので嬉しそうにしてるよ。

そうだね。顔を見ると、気持ちが伝わるもんね。

そうなんだよ。
それに、自動でiPadのFaceTimeに応答できるように設定してあるから、お母さんが使い方がわからなくても大丈夫。
自動でつながるから、遠隔でリビングの様子を見ることができるので安否確認にもなるよ。

それは良かったね。お母さん、元気そうで何よりだね。

うん、本当に。
一時はもうお母さんとは電話で会話できないんじゃないかと心配したけど、iPadをTV電話代わりにすることで、当面は大丈夫そうだよ。
- 1. はじめに
- 2. iPadをTV電話にする(ビデオ通話する)方法
- 2.1. iPadをTV電話にするための準備
- 2.1.1. 1. iPad(第5世代以降)を購入する
- 2.1.2. 2. スタンド、カバー、保護シートなどを購入する
- 2.1.3. 3. 外付けのスピーカーを用意する
- 2.1.4. 4. Wi-Fi環境を用意する
- 2.1.5. 5. Appleデバイス(発信側用)を用意する
- 2.1.6. 6. Apple IDを(親と自分のものをそれぞれ)作成
- 2.1.7. 7. 親のiPad側で電話相手の登録(通話を許可する)
- 2.2. iPadでTV電話をする(ビデオ通話する)方法
- 2.2.1. 1. 親が利用しやすい場所にiPadをスタンドにセットして設置する
- 2.2.2. 2. 外付けのスピーカーをiPadにペアリングをする
- 2.2.3. 3. iPadの設定で、FaceTimeの自動応答をオンにする
- 2.2.4. 4. 自分の端末から親のFaceTimeにかけてみる
- 3. iPadをTV電話にするメリットとデメリット
- 3.1. メリットに感じた事
- 3.1.1. 1. とにかく遠隔で話せるようになった
- 3.1.2. 2. 両耳で聞けるようになった
- 3.1.3. 3. 顔を見れることで、母の表情や様子がわかるようになった
- 3.1.4. 4. 顔が見れることを母も喜んでいる
- 3.2. デメリットに感じたこと
- 3.2.1. 1. 費用がかかる
- 3.2.2. 2. Wi-Fiがつながっていないと、新たに契約や設置が必要
- 3.2.3. 3. Wi-Fiの環境によってはFaceTimeがつながりにくい
- 3.2.4. 4. 設定が面倒
- 3.2.5. 5. 親が受け入れない可能性がある
- 4. まとめ
はじめに
私の母は、一人暮らしをしています。
日常のことはなんとか自分でできるのですが、認知症がかなり進んできました。
近所に姉が住んでいるので、母が自分でできない事をサポートしてもらっています。
しかし、最近、母の左耳がほとんど聞こえなくなってしまいました。
それだけならまだしも、認知症なので聞こえる方の右耳で電話に出ることを忘れてしまいます。
私は遠くに住んでいるので、母とのコミュニケーションは電話が中心です。
電話ができなくなると困ってしまいます。
iPadをTV電話にする(ビデオ通話する)方法
母と電話での会話が難しくなってしまったので、どうにかして解決したいと思いました。
いろいろネットで調べた結果、FaceTime機能を使ってiPadをTV電話の代わりにする方法を試すことにしました。
以下の記事を参考にしました。詳細な設定方法などは以下をご確認ください。
「遠隔地に両親がいる人必見!【高齢者向けiPadのビデオ電話設定】」
iPadをTV電話にするための準備
iPadをTV電話にするためには、以下の準備が必要でした。
1. iPad(第5世代以降)を購入する
私は自分が使用していたiPad miniを利用しました。
少し小さいかな〜とも思いましたが、あまり問題はなさそうです。
iPadは第5世代以降でないと、FaceTimeの機能が使えないそうです。
(参考記事「FaceTimeを使える機種」)
iPadは、最新のiOSにアップデートしておきます。
iOS13以上でなければノータッチ機能の設定はできません。
(参考記事「iPad機種・バージョンの確認方法」)
2. スタンド、カバー、保護シートなどを購入する
iPadを固定しておくためのものが必要です。
私は3COINS(スリーコインズ)のものを使いました。
iPad miniなので本体部分もなんとかはさめて、ダイニングテーブルにクリップしています。

(出典:3COINS(スリーコインズ))
透明のカバーをつけて、保護シートも貼りました。
3. 外付けのスピーカーを用意する
Bluetooth対応のものを用意しました。
iPadのスピーカーだと、高齢者は聞こえにくいかもしれません。
手持ちのBluetoothスピーカーをいくつか試して、母が聞こえやすい物(ソニー ポータブルスピーカー SRS-XB13 BC)を設置しました。
4. Wi-Fi環境を用意する
母の家はWi-Fi環境がなかったので、新たに契約する必要がありました。
我が家がワイモバイルなので、まとめて支払えるように、ソフトバンクの工事が不要でコンセントにさすだけタイプのWiFi(SoftBankAir)を契約しました。

最初リビングに置きましたが、全然つながらず、玄関に置くとつながりました。
環境によると思いますが、つながりにくいときもあります。
5. Appleデバイス(発信側用)を用意する
親にFaceTimeをかける(発信する)側のAppleデバイスが必要です。
FaceTimeはApple製品同士でしかできないので、Apple製品を持っていないなら購入が必要です。
グループ通話ができるのはiOS 12.1.4 以降なので、あまり古い機種だとiOSが対応しない可能性があります。
(参考記事「FaceTimeを使える機種」)
(参考記事「iPad機種・バージョンの確認方法」)
6. Apple IDを(親と自分のものをそれぞれ)作成
母のApple IDを作成しました。
母以外の家族(発信する側)は既にApple IDがありましたが、発信する側がApple IDがない場合は作成する必要があります。
7. 親のiPad側で電話相手の登録(通話を許可する)
親のiPadで通話許可する人の連絡先を登録し、通話相手の制限を設定が必要です。
詐欺電話や知らない人から電話がかかってこないようにするためです。
(参考記事「3.1.1 連絡先を 簡易に新規登録する方法」)
(参考記事「3.1.3 通信/通話の制限設定方法」)
iPadでTV電話をする(ビデオ通話する)方法
iPad miniでTV電話をするために、以下のことをしました。
1. 親が利用しやすい場所にiPadをスタンドにセットして設置する
iPad miniをスタンドにセットして、母がいつも座っている、ダイニングの椅子の横に置きました。
2. 外付けのスピーカーをiPadにペアリングをする
iPad miniとBluetooth対応のスピーカーをペアリングしておきました。
3. iPadの設定で、FaceTimeの自動応答をオンにする
iPad miniの方で、FaceTimeが自動応答できるように設定しました。
(参考記事「3.2 自動でFaceTimに応答する設定」)
4. 自分の端末から親のFaceTimeにかけてみる
FaceTimeの自動応答設定後、別の部屋から自分のiPhoneのFaceTimeから親のApple IDを選んでビデオ通話できるかテストしました。
前述しましたが、Wi-Fiルーターの置き場によってつながりにくいので、テストしながらつながりやすい場所を探しました。
(参考記事「3.1.2 登録した連絡先がFaceTimeで通話できるか確認」)
iPadをTV電話にするメリットとデメリット
メリットに感じた事
1. とにかく遠隔で話せるようになった
電話以外の方法で、遠隔でのコミュニケーションが可能になってよかったです。
2. 両耳で聞けるようになった
片耳が聞こえづらく、認知症のためそれが覚えられないので、両耳で聞けるようになったのがよかったです。
3. 顔を見れることで、母の表情や様子がわかるようになった
会話をしながら母の表情が見れるので、話を理解してそうか、元気そうかなど、こちらから様子がうかがえるのがよかったです。
4. 顔が見れることを母も喜んでいる
母の方も、顔が見れると会話を理解しやすいみたいだし、嬉しそうにしているのはよかったです。

母は私には興味なく、普段会えない私の夫と話せるのが嬉しいようです。
我が家の猫たちを見せてあげるのも喜びます。
姪っ子は、ひ孫の顔を見せてあげているようです。
デメリットに感じたこと
1. 費用がかかる
私はたまたまiPad miniが手元にありましたが、わざわざ購入することがほとんどだと思います。
FaceTimeをかける側もApple製品を使用する必要があり、持っていなければ購入しないといけません。
Apple製品は高額なので、それだけで結構な費用になります。
2. Wi-Fiがつながっていないと、新たに契約や設置が必要
親の家にWi-Fiもつながっていないと新規で契約する必要があり、それに伴って初期費用と継続的費用がかかります。
3. Wi-Fiの環境によってはFaceTimeがつながりにくい
タイミングによってはFaceTimeがつながりにくい場合があるので、全面的にFaceTimeだけを頼りにはできないと感じました。
4. 設定が面倒
親のiPadの設定が結構面倒でした。苦手な方は難しく感じるかもしれません。
Wi-Fiのセッティングは姪っ子がやってくれました。得意な方にお願いするのもいいかもしれません。
5. 親が受け入れない可能性がある
たまたま母は最終的に受け入れましたが、最初は本当に嫌そうでした。
気に入らないと勝手にはずしたり、どこかにやってしまうので、無駄になることも覚悟の上で実施しました。
まとめ
この記事では、電話での会話が難しくなった高齢の母のために、iPadをTV電話にしてみた方法、メリット・デメリットについてお伝えしました。
iPadをTV電話にするには、Wi-Fi環境が必要で、外付けのスピーカーもあった方がいいと思います。
iPadで、FaceTime等の各種設定が必要です。費用も結構かかります。

費用はかかりましたが、母とのコミュニケーションがとても改善されました。
私の体験談が、どなたかの遠隔介護のヒントになりますように。